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「HOME 空から見た地球」 [★★★☆]


HOME 空から見た地球 [DVD]

HOME 空から見た地球 [DVD]


原題: HOME
監督: ヤン・アルテュス=ベルトラン
2009年/フランス映画
*未公開作品

★★★☆

<感想>
とにかく映像がすごいです。
こんな風景が地球上にあるのだろうか?って疑ってしまうほど美しい。
空撮の距離感が絶妙なのかなあ...。
豊かな自然の風景も、環境破壊の爪あとが生々しい映像も、そのすべてが美しく、改めて地球の持つポテンシャルに驚かされました。

地球上はあらゆる色と素材にあふれていて、それらが美しい織物のようなパターン(模様)を作っている。
それは長い年月をかけて織られ続けていたものだけど、人類が登場してから...近代化が始まってから...、あっという間に壊されていく様子が綴られる。
...とその辺の語り口はありきたりだが(と言うか、人間が悪いっていうことに変わりないから、それはいた仕方ないんだけど)、時々数字が入るので(人口の**割が全体の**割の水を使っている...とか)、リアルに響いた。

もう警鐘が鳴らされるようになってからかなりの時間がたっているけれど、地球の状況は良くならず、15年後くらいにはずいぶんいろんなものがなくなってしまうみたいだ。
でもだからと言って、たとえば生活のために森を焼いて田畑を開墾する貧しい人々のことを批判だけするわけにもいかない気がする。

では何が問題なのか?ということで私が思ったのは「人口増加」かな。
それに対し何ができるのか?どうしたらいいのか?とこの映画に問われ続けても、答えは出せなかったけど。

映画では最後に世界中の様々な取り組みが紹介される。
「人間は壊しているだけじゃない、まだできることがあるんだ」と希望も与えてくれるエンディングはとても良かった。

冒頭にも書いたけど、あまりにも風景が美しくて、これはどこのどの辺みたいな表示があってほしかった(エンディングにはあった)。
家で見たからだけど、きれい!きれい!と声に出してつぶやいていました。

「フォー・クリスマス」 [★]


フォー・クリスマス [Blu-ray]

フォー・クリスマス [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: Blu-ray

原題: FOUR CHRISTMASES
監督: セス・ゴードン
脚本: マット・A・アレン/キャレブ・ウィルソン/ジョン・ルーカス/スコット・ムーア
原案: マット・A・アレン/キャレブ・ウィルソン
出演: ヴィンス・ヴォーン/リース・ウィザースプーン/ロバート・デュヴァル/シシー・スペイセク/ジョン・ヴォイト/メアリー・スティーンバージェン
2008年/アメリカ映画
(未公開作品)



<あらすじ>
結婚子どもは面倒くさいという今時のカップル、ケイトとブラッド。
本来家族で過ごすはずのクリスマス休暇も、2人きりでフィジーで過ごそうとするけれどばれてしまいそれぞれの家を訪問することになった。
2人の両親はそれぞれ離婚しているから、4つの家を訪ねて4つのクリスマスを過ごすことになるが...。

<感想>
最近、好みの映画に当たりません...。

その両親4人がみんなオスカークラスの俳優でびっくり。
ひどい親の姿をコミカルに演じている余裕を感じる。
...が、ふざけているだけで、家族の温かさがあまり伝わってこなかった。

だから、ケイトは途中で「結婚も子どももいいかも」と思うのは「女だから」という理由で納得はできるけど、それを嫌がり1度は離れたブラッドが、思い直してケイトを迎えに来る理由となるような家族愛が描かれていないので、かなり強引に感じてしまったかな。

キャストも良かったし、家族の愛再発見みたいな、ハートフルコメディを期待してたので残念。
リース・ウィザースプーン、久し振りだなあと思って見ましたが、''未公開''も頷ける映画でした。

「シャッター アイランド」 [★★★]



原題: SHUTTER ISLAND
監督: マーティン・スコセッシ
脚本: レータ・カログリディス
原作: デニル・ルヘイン(「シャッター アイランド」)
出演: レオナルド・ディカプリオ/マーク・ラファロ/ベン・キングズレー/ミシェル・ウィリアムズ/エミリー・モーティマー/パトリシア・クラークソン
2009年/アメリカ映画

★★★

<感想>
映画の宣伝文句だった「衝撃のラスト」とか「すべての謎を解くことができるか?」みたいなことを意識し過ぎると物足りないかもしれない。
私も最初はそう思いながら頭をフル回転させて見てたけど、逆に起こる現象をただ素直に受け止めて見てた方がいいかも、と早い段階で気づいて良かった。
そういう映画会社の煽りをまともにくらってしまうと最後がっかりするかもしれません。
だいたい、そんな煽るほど複雑なストーリーでもなかったし。

語り口・結末はいわゆる「夢落ち」だけど、実のところ戦争がもたらす悲劇と、家族愛、そしてベン・キングズレーとマーク・ラファロ演じる医師の、精神疾患を持つ犯罪者への人間愛、尊厳を描いている映画だと思います。

舞台が絶海の孤島で、しかも嵐に見舞われるので映像が陰鬱としているし、妄想や現実の殺害シーン(戦争や子どもの)があまりにも暗く悲しい。
そして誰を信用していいのか,,,というストーリー展開なので、最後の謎解きからラストにかけてのシーンで、院長と主治医が彼のことを人間として優しく愛情を注いでいるというのが本当なんだと理解できたのは、一筋の光のような気さえしました。

それに最後のテディのセリフ、「モンスターとして生きるか...」云々は、ある意味ではちゃんと''衝撃のラスト''だったのではと思っています。
どんな手術なのか詳しくは知らないけど、脳をいじる手術(ロボトミー手術)を彼は自ら受け入れてるわけだもん。
きっとそれも2人の医師の愛を感じたからこそ、そう決意できたのでは?と思えてなりません。
素直にロボトミー推進派の医師や警備の人間についていくテディの後ろ姿が印象的でした。

複雑なストーリーなのではなく、見ている側の感情が複雑に揺さぶられるような、とても悲しい映画だったと思いました。

「ラブリーボーン」 [★☆]



原題: THE LOVELY BONES
監督: ピーター・ジャクソン
脚本: フラン・ウォルシュ/フィリッパ・ボウエン/ピーター・ジャクソン
原作: アリス・シーボルド(「ラブリー・ボーン」)
出演:シアーシャ・ローナン/マーク・ウォールバーグ/レイチェル・ワイズ/スーザン・サランドン/スタンリー・トゥッチ/ローズ・マクアイヴァー
2009年/アメリカ/イギリス/ニュージーランド映画

★☆

<感想>
この映画は何を言いたいんだろう?どう捉えたらいいの?最後には分かるのかな?などと思いながら見てても結局何も起こらないので、結論を求めちゃうと(私は求めてしまった)かなり消化不良を起こす映画です。

主人公のスージー・サーモンは、近所に住む快楽タイプの連続殺人犯に目をつけられ、14歳で殺されてしまい、その後現世と天国の間のようなところをさまよっているの。
そこはとても美しい世界なんだけど、たまにその世界がぐちゃりと崩れたりするのは、現世でスージーを思う人々の感情の表れなのかもしれないけど、その辺がいまひとつはっきり伝わってこない。

見ている側には犯人が誰かも分かっているのに、父親や妹、霊感少女が真相に近づくようなシーンもあっても捕まらないし、死体さえ見つからないからイライラが増幅。
犯人のネットリ感をさんざん見せられているから、最後の天罰みたいなあっけない死に方じゃ甘過ぎて、モヤモヤがかなり残ります。

平凡な家族が突然娘を失い、崩壊の危機にもなるけれど、徐々に受け入れるというストーリーは及第点ではあるけれど、そういうのなら「普通の人々」(1980年)という秀作があるので、新鮮味はありません。

確かに現実では、この映画のように理不尽な殺され方をしても犯人が捕まらず、何の制裁も受けていないこともあると思う。
死者も家族もそれを受け入れ、別のステージへ行かなくてはならないことも多いんだろう。
でも堂々とそれを描いちゃうのはどうかな?って思った。

あと最後に近いところで、犯人に殺された人々(当然少女が多いわけだけど)が集合するシーンがあるの。
その世界では他の人と会うことがないし、「どうせ殺されるなら連続殺人犯にやられた方がいい」みたいな感じがしなくもなかった。
それとあまりに美しくしあわせそうな世界過ぎて、死ぬのも悪くないかなって思ってしまい、死者を見送る側としては安心だけど、当事者としては生きることに執着しなくなりそう。
まあこれはかなり偏った意見だとしても。

と、文句ばかり書いてきましたが、星が1つでなく1つ半なのは、スージーを演じたシアーシャ・ローナンの透明感です。
そんなに整った顔じゃないけど、劇中も「美人」と言われるのがすごく納得でした。
彼女の存在感が、この映画に切なさと悲しさを与えていてくれました。

「オーストラリア」 [★★★]



原題: AUSTRALIA
監督: バズ・ラーマン
脚本: バズ・ラーマン/スチュアート・ビーティー/ロナルド・ハーウッド/リチャード・フラナガン
原案: バズ・ラーマン
出演: ニコール・キッドマン/ヒュー・ジャックマン/ブランドン・ウォルターズ/デヴィッド・ウェンハム
2008年/オーストラリア映画

★★★

<感想>
3時間近くの長い映画だったけど、わりと全体的に楽しく見れました。
テーマがわんさかあって次から次へと事件が起きるので、追いかけてるだけで時間が過ぎちゃう感じです。

前半はアボリジニへの差別や軍への食肉用の牛の独占販売などがテーマで西部劇風。
同じくニコール・キッドマン主演の「遥かなる大地へ」を思い出したりもした。
もしくは「風と共に去りぬ」とか。

貴婦人のサラが夫の遺志を継ぎ、牛追いのドローヴァー、白人とアボリジニのハーフである男の子ナラたちと、港町まで1500頭もの牛を運ぶストーリーが、美しいオーストラリアの大自然をバックに展開される。
ライバルの執拗な邪魔が入るんだけど、ナラがアボリジニの不思議な力を持っているシーンがあったり、サラとドローヴァーのロマンスもあったりして、一大叙事詩のようで飽きさせない。

無事到着して牛を軍に販売することもでき、こんな風に一応完結しちゃって、あと半分どうするんだろう?と思ったら、全然別のストーリーが始まるの。

後半は西部劇から一気に戦争ものへ。
家族のように暮らし始めたサラ、ドローヴァー、ナラが、それぞれの生き方の違いでバラバラになりかけ、さらに太平洋戦争での日本軍の空襲により、生死さえ分からないというような話になる。

最後に政府がアボリジニや「盗まれた世代」に対して正式に謝罪したというクレジットが入り、「あ、そうだ、それもテーマだった」と改めて思い出すような、忙しい映画です。

でもとにかくニコール・キッドマンがきれい!
ちょっと褒め過ぎだけど、ストーリー展開のいろんな強引さを黙らせるような、迫力ある美しさがあって、それだけでも見る価値ありと思いました。

最後に監督がバズ・ラーマンと知って、「そうか、彼の映画だったからおもしろかったのか」と個人的に納得。
偉そうですが、この映画をもし違う人が撮ってたら、ただただ長いだけで絶対おもしろくなかったと思う。
お薦めとは言わないけど、なんか見れちゃう映画でした。

「そんな彼なら捨てちゃえば?」 [★★]


そんな彼なら捨てちゃえば? [Blu-ray]

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原題: HE'S JUST NOT THAT INTO YOU
監督: ケン・クワピス
脚本: アビー・コーン/マーク・シルヴァースタイン
原作: リズ・タシーロ(「そんな彼なら捨てちゃえば」「恋愛修行」)
出演: ベン・アフレック/ジェニファー・アニストン/ドリュー・バリモア/ジェニファー・コネリー/ケヴィン・コナリー/ブラッドリー・クーパー/ジニファー・グッドウィン/スカーレット・ヨハンソン/ジャスティン・ロング
2009年/アメリカ映画

★★

<感想>
恋愛映画のオムニバス形式は高い確率で好きなはずだけど、これはピンときませんでした。

全部で9人の男女の物語が、多少登場人物が交錯しつつ展開。
そのうちのどれにも、共感できるものや“いいなあ~”と思えるものがなかったんだ。

もともとのタイトルが「HE'S JUST NOT THAT INTO YOU=彼はあなたに興味がない」だし、現実は映画のようにうまくいかず、プラス思考はただの勘違いの場合が多いんだよっていう映画だとは思う。
特にジジのエピソードは、同じ女性として恥ずかしくなるくらい、かなり痛々しいの...。

結果はハッピーエンドが多いにも関わらず、なぜかしあわせな気持ちにはなれなかった作りの甘さが、私にはマイナスだったな。
ニールとベスのエンディングは確かにじんとしちゃったけど、あんなにこだわってた「結婚という形にとらわれたくない」はもういいの?とか、せっかく''現実''を描いてたはずの映画が、みんな強引なほど急にハッピーになるから、とってつけた感がしちゃって冷めたって言うか...。

この手の映画は、おそらく女性が多く見る映画だと思う。
だから「恋にはつらいこともいろいろあるけど、こんなに素晴らしい!」っていう夢や希望が、最後には花開いて、どこか女性賛歌であった方が、やっぱり楽しいと思うんだ。

久し振りにスカーレット・ヨハンソンを見たけど(ウディ・アレンの「マッチポイント」以来かな?)、またもやセクシーで、男性をどうしようもないほど惹きつけるけど愛人止まりみたいな役だった。
子役の頃から好きです。
「ロスト・イン・トランスレーション」や「バーバー」のような映画で見たいなあ。

「愛を読むひと」 [★☆]


愛を読むひと (完全無修正版) [Blu-ray]

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原題: THE READER
監督: スティーヴン・ダルドリー
脚本: デヴィッド・ヘア
原作: ベルンハルト・シュリンク(「朗読者」)
出演: ケイト・ウィンスレット/レイフ・ファインズ/デヴィッド・クロス/ブルーノ・ガンツ
2008年/アメリカ/ドイツ映画
2008年アカデミー賞: 主演女優賞(ケイト・ウィンスレット)など多数(アカデミー賞作品賞ノミネート)

★☆

<感想>
いい年してこういうこと言う方が変かもしれないけれど、15歳のマイケルと35歳(くらい?)のハンナの話は、私には官能的過ぎて恥ずかしかったです。
本当は見たって言うのも恥ずかしいくらい...。

乾いた映像やヨーロッパ(西ドイツ)の風景はいかにも文芸的なにおいがしたけど、今は特に幼い娘もいるし、もうただただいやらしく感じてしまって、途中で何度も見るのやめようかな...と迷いながら見てました。

でも、ケイト・ウィンスレットのことは、デビューの「乙女の祈り」の時からすごい女優だと思って応援していたので、ようやくアカデミー主演女優賞を取った映画だし、見たかったんだよね...。

そうやってがんばって(?)見ていたら、職場での昇進をきっかけにハンナがマイケルの前から消え、映画の内容が一変。
法学部に進んだマイケルは、実際の裁判を教授と見に行った時に、偶然にもナチとして法廷で罪を問われているハンナと再会するんだ。
裁判っぽいシーンがあるのは知ってたから、てっきり「少年をたぶらかした」とか何とかの罪を問われてるんだと勝手に思ってたのでびっくりです(笑)。

どうなっていくんだろう?と先が気になりおもしろくはなってきたけど、進めば進むほどいかにもヨーロッパ的暗さで、結局やっぱりいい映画だとは思えなかった。

主人公2人の考え、行動が難解過ぎる。
きっとハンナは人に弱みを見せたりしないような、すごくプライドが高い女性なんだろうけど、他の看守仲間より罪が重くなろうとも、自分が文盲であるということを明かさないの。

マイケルの行動はもっと謎。
彼女が文盲だと裁判の途中で気づき、1度は面会に行こうとするけど結局会わず証言もしない。
でも、その後無期懲役という判決を受けたハンナに、かつて朗読してあげた物語をテープにふきこんで送ることにしたのに、文字を学び出したハンナからの手紙には返事を書かない。
けれど、彼女が出所するという時は会いに行って、結果彼女を自殺に追い込んでしまう。

彼は彼女と出会い突然去られてしまったことで、その後の人生がよろこびとは無縁な人間となってしまったんだと思うし、彼女がそうやって罪を犯してしまったことへの葛藤もあったんだと思う。
それだからこそ、何で途中でテープ送るなんて中途半端なことして、彼女に期待や希望を与えてしまったんだろう?と思ってしまうのです。
彼は何も学んでない、そんな気がしてしまいました。

後から監督がスティーヴン・ダルドリーだと知ったんだけど、こういう作品も撮るんだって意外だった。
前2作はDVD所有なほど好きなので(「リトル・ダンサー」/「めぐりあう時間たち」)。
それにしても、3作しか撮ってないのに全部監督賞にノミネートされてるって(残念ながら受賞はしてないけど)すごいね!
あと、アンソニー・ミンゲラとシドニー・ポラックがその他数名とプロデューサーをしてるんだけど、2人とも同じ年に(年齢は全然違うけど)お亡くなりになってたのね。
ご冥福をお祈りします。

「ジュリー&ジュリア」 [★★☆]


ジュリー&ジュリア [Blu-ray]

ジュリー&ジュリア [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray

原題: JULIE & JULIA
監督: ノーラ・エフロン
脚本: ノーラ・エフロン
原作: ジュリー・パウエル(「ジュリー&ジュリア」)/ジュリア・チャイルド(「いつだってボナペティ!-料理家ジュリア・チャイルド自伝」)
出演: メリル・ストリープ/エイミー・アダムス/スタンリー・トゥッチ/クリス・メッシーナ
2009年/アメリカ映画
2009年ゴールデン・グローブ: 女優賞(コメディ/ミュージカル)(メリル・ストリープ)など

★★☆

<感想>
「王道のフランス料理」という分厚い料理本の著者で、テレビの料理番組もやっていたジュリア・チャイルドと、彼女を崇拝するジュリー・パウエルについての実話が同時進行で展開していく。

メリル・ストリープ演じるジュリアは、劇中ジュリーが見ている料理番組には本人が映っているものもあるんだけど、本当にそっくりで、映画賞の女優賞に数多くノミネートされたり受賞したりしてるのもうなづける。
大柄で、甲高い声で、パワフルなジュリアのことを最初は「何だこれ?」と正直思ったけど、だんだんチャーミングに思えてきて、最終的には''ジュリアという人は、他人に嫌われることなんかないんだろうな''とさえ思えてきた。

一方ジュリーは日々の仕事や結婚生活が、夢や憧れとはどうも違う...と、人生に少々不満を抱えている女性で、その状況を打開すべく大好きなジュリアのレシピ524個を1年間で作るという目標を掲げ、ブログを開設する。

料理を作ることは私も好きだから楽しんで見れたところもあったけど、せっかく料理をテーマにしているのに「うわっ!おいしそう~~!!」というシーンが全然ないのがもったいないと思った。
ロブスターと格闘したり、鴨や子牛の足を扱ったりという部分はあったけど、それがないからただただジュリアのレシピを作って、ブログを書いて(写真さえない)...なのね。

途中うまくいかなくて旦那さんに当たったりというシーンはあったけど、そのくらいしか苦労が見えず、上達してるかも分からないから、なかなかジュリーを応援する気にもなれなくて共感できなかった。
だから彼女のブログが人気が出て、取材が殺到したりするっていうのもいまひとつピンとこなかったかな。

最後、まだ当時は生きていたジュリアがジュリーのことをこころよく思っていないというようなシーンがあるの。
ジュリアの真意はもちろん分からないし、それについてのその後が語られるわけでもないんだけど、この映画だけを見るなら、私にはジュリーが''ただのまねっこ''に見えたので、いい印象を持たれないのも仕方ないのでは?と思ってしまった。
ジュリアはそんな意地悪じゃないか...。

多少の脚色はあっても、実話だから仕方ない部分もあると思うけど、ジュリーの魅力がもっと伝わってくればすごくおもしろくなったように思う。
エイミー・アダムスじたいは、悩み多き働く現代人女性をかわいらしく演じていたので良かったと思うけど。

あと、さっき書いた料理のシーンもね。
私が好きだからなんだけど(笑)、料理を扱ってる魅力的な映画は、やっぱりおいしそうなシーンがあるものなので。
(ちなみにぱっと思い出せる素晴らしい料理映画と言えば、「バベットの晩餐会」、「ディナーラッシュ」、「ソウル・フード」かなあ)

それにプラスして、2人の女性にはすてきな理解あるだんなさんがいて、彼らとのエピソードも当然あるの。

つまり、ちょっと話題を盛り込み過ぎて、全部が中途半端になってしまったのかもしれません。
題材じたいは良かったと思うのに、惜しい。

「リトル・ミス・サンシャイン」 [★★★★]


リトル・ミス・サンシャイン [Blu-ray]

リトル・ミス・サンシャイン [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: Blu-ray

原題: LITTLE MISS SUNSHINE
監督: ジョナサン・デイトン/ヴァレリー・ファリス
脚本: マイケル・アーント
出演: グレッグ・ギニア/トニ・コレット/スティーヴ・カレル/アラン・アーキン/ポール・ダノ/アビゲイル・ブレスリン
2006年/アメリカ映画
2006年アカデミー賞: 助演男優賞(アラン・アーキン)/脚本賞(作品賞ノミネート)など他多数

★★★★

<あらすじ>
フーヴァー家は、父親は破産寸前で、母親はまともに家事もせず、長男はこの世のすべてを憎み一言も口をきかないし、父方の祖父はドラッグで老人ホームを追い出され口も悪いという家。
そこに自殺未遂した母親の兄がやってきたタイミングで、末娘オリーブが念願の美少女コンテストの地区代表にくりあげ当選した。
家族全員で小さなバスに乗り(フォルクスワーゲンの黄色いタイプ2)、本選に向かうが...。

<感想>
いい映画だった。
こういう小さい作品てかなり好みで、音楽も良かったし、思わずメモしたくなるようないいセリフもいくつかあった。
ただしこの映画は、他でよくありがちな旅するうちに家族が和解し、それぞれの問題も快方に向かっていったり、傷が癒えたりするような映画ではないところがおもしろい。
むしろ旅する距離に応じて、バスがだんだん壊れていってしまうように、それぞれの傷がもっとえぐられるようなことばかり起きる。

でもエンジンの押しがけをしながらバスに乗り込み、目的地へと進んでいく家族のように(ブルーレイジャケットにもなっているシーン)、家族はそれでも家族としてそこに存在し、お互いに作用し合い進んでいくのだという温かみを感じさせてくれた。

明日の本選を控えだんだん怖くなってくるオリーブが、寝る前に何回もおじいちゃんに不安を打ち明けるシーンのグランパの言葉、夢断たれた長男が自殺未遂者の伯父と海辺で語り合うシーンは、何気ないセリフが本当に素晴らしい。
オリーブの本選の登録の時間に間に合うように猛ダッシュする伯父の姿や(走るのが苦手という伏線がある)、クライマックスの、家族たちが次々と舞台にあがりオリーブと一緒になって(下品な)ダンスを踊り出すシーンは胸が熱くなり、笑えるのに涙が出た。

そういう、笑わせたり泣かせたりが押しつけがましくないのが本作品の魅力。
エンジンを押しがけし(どんどん息が合ってきてるという演出)、みんなでバスに乗って家路へと向かうエンディングも印象的でした。

それはそうと、美少女コンテストに登場する全ての人がものすごくグロテスクで、ここだけすごくブラックな風刺を感じた。
オリーブがお腹ぽっこりのめがねっ子で、明らかに美少女コンテストに出れるようなタイプではないの。
そこをもうちょっとうまく使ったら(たとえば下品ながらもダンスがうまかったとか)もっとおもしろかったような気はするけど、それじゃありがちな印象になってしまうのかもね。

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